ウェブサイトのドメイン所有権 – 制作会社の視点から

皆さん、こんにちは。リアライズでは日々、多くのクライアントのホームページ制作を手掛けています。今日は、ウェブサイト制作における非常に重要な側面、すなわちドメインの所有権についてお話ししようと思います。

ウェブサイトを立ち上げる際、ドメイン名の選定は基本中の基本です。しかし、多くのクライアントが見落としがちなのが、そのドメインの「所有権」についてです。ドメイン名の所有権は、ウェブサイトの「住所」とも言えるもので、その重要性は計り知れません。

ドメインの所有権の基本
ドメイン名は、登録した人や組織が所有することになります。これは、.com、.co.jp などのドメイン種別に関わらず、一般的なルールです。特に.co.jp ドメインは、日本国内の法人に限られていますが、それ以外のドメイン（例えば .com）は個人や任意の組織でも登録できます。

制作会社としての役割
私たち制作会社は、クライアントに代わってウェブサイトを制作することが多いですが、ドメインの登録については特に注意が必要です。なぜなら、法的にはドメインを登録した者が所有者となるため、クライアント名義でなければ、将来的に所有権の問題が発生する可能性があるからです。

クライアントへのアドバイス
クライアントには常に、ドメインは自社名義で登録することを推奨しています。これにより、将来的にウェブサイトに関するコントロールを失うリスクを避けることができます。また、ドメインの所有権がクライアントにあることは、ビジネス上の資産としても重要です。

契約時の注意点
ウェブサイト制作を依頼する際、契約書にはドメインの所有権に関する条項を明記することをお勧めします。これにより、将来的に発生するかもしれないトラブルを未然に防ぐことができます。

特にフリーランスの方にサイトを作成してもらい、その人がドメインを取得した場合、数年後に連絡が取れなくなってしまったという状況は、非常に厄介です。制作会社が倒産してしまいドメインの所在が不明なときも同様です。このような場合、対処する方法は限られていますが、以下のステップを試みることができます。

1. ドメイン管理会社に再度連絡を取る
ドメイン管理会社（レジストラ）は、一般的にはドメインの登録者（この場合はフリーランスの方）にしか情報を提供しないことが多いです。しかし、あなたがそのドメインに関して何らかの権利を持っていることを示すことができれば、彼らが協力する可能性はあります。例えば、ドメインがあなたの登録商標や会社名を使用しているなどの証拠があれば、これを提示すると良いでしょう。裏を返せば商標登録をしているロゴなどがない場合、取り合ってくれる可能性は低くなります。

2. 法的措置を検討する
ドメイン管理会社が協力してくれない場合、法的措置を検討する必要があります。弁護士に相談し、ドメインの所有権に関する訴訟を起こすことができるかどうかを確認してください。これは時間とコストがかかる方法ですが、他に選択肢がない場合は考慮する価値があります。但しこれも最終的には裁判所の決定になります。当然ながら自社のホームページであることから所有権が認められ判決が出たとしても、それは私のものだと訴え出てくる人は出てくることはほぼあり得なく、判決は確定すると思われますが、組織に掛かる費用は数十万円から百万円単位と多額になります。また、勝てる保障もありません。やはりこうなる前に所有権を明らかにしておくべきです。

なお、これらは制作会社がドメインを取得しており、ドメインの移管を認めないと言い張る場合も同様です。原則、制作会社がドメインの所有者です。以前あったのはドメインの移管は10万円という法外なものでした。一般的にドメイン移管手数料はドメイン管理会社やホスティングサービス会社（レンタルサーバー会社）によっても異なりますが、無料から掛かっても数千円程度です。事務処理の手間を考えてもせいぜい事務手数料は1万円程度でしょう。それを足元を見て10万円とはあまりにもひどいと思いますが実際にあった話です。リアライズでは事務手数料を頂かず、実費のみでドメインの移管を行っていますが、所有権があくまでも元の制作会社にある以上、どうしようもありません。

そういうことにならないよう、制作会社やフリーランスと契約する時は必ずドメインの所在を明らかにしてください。出来ればドメインだけはご自身でサーバー会社やお名前ドットコムのようなドメイン管理会社から取得することを強くお勧めいたします。それであれば最悪の場合でもドメインは自社のもになります。

結論

ウェブサイトのドメイン所有権は、ビジネス上非常に重要な要素です。制作会社としては、この点をクライアントに明確に伝え、適切なアドバイスを提供することが重要です。ドメインの所有権を正しく管理することで、ビジネスの安定性と将来性を保つことができます。

私たちリアライズでは、このような重要な側面をクライアントに伝え、最適なウェブサイト制作のサポートを行うことを心掛けています。