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1.302020
ネットショップの出店について今一度
楽天・三木谷社長は強気の姿勢を崩さず、1月29日、一定額以上の購入者に対する送料無料サービスを予定通り実施するとツイッターに投稿しました。
確かに送料無料、購入者にとってはありがたいことこの上ない、実際三木谷社長の頭痛の種はアマゾンプライムの送料無料であるというのも頷けます。多少ポイントが付くといっても送料無料であれば同じ商品であればアマゾンで買うのは納得できます。事実、私もネット通販はまずはアマゾンです、アマゾンが売り切れの場合、渋々楽天を探すと流れです。
前にも書きましたが、送料無料分を楽天側が負担分するといえば出店者ももろ手を挙げて賛成でしょう。しかし、問題は出店者に負担を強いるという楽天側の姿勢です。もちろん、それは楽天市場側が決めることでありますからここで四の五の言うつもりはありません。ただ、ディズニーとワークマンが揃って撤退したということはそれだけ勝算が立ちずらくなったという証ではないかと思うのです。
ディズニーやワークマンほどの大企業であれば様々な角度から送料無料化による自社負担の増加と売上見込みをシミュレートしたはずです。その結果、送料無料化によって確かに売り上げは上がるが、その売り上げ増加分を送料無料化の自社負担分で賄いきれず、結果的にトータルでマイナスになると判断したのだと思います。そうでなければわざわざ撤退しないでしょう。
それだけ送料というものはシビアでネットショップ運営に影響いたします。
ネットショップに顧客を取られた実店舗は、「ネットショップは楽でいいな・・・」とため息が落ちているかもしれませんがそのネットショップも相当厳しい戦いを強いられています。むしろネットショップ側では、「送料の悩みに左右されない実店舗は自由に値段を決められるからいいな~」と羨望の眼差しで実店舗を見ているかもしれません。
もう何度も繰り返し述べていますが、市販品を売りたいがためにネットショップを立ち上げることはあまりお勧めは致しません。売れども売れども利益は出ず、疲弊しているネットショップがあまりにも多すぎます。
農産物や海産物など、地域限定の品や自社開発の独自の商品を売るのであれば勝算はありますが、スーパーやデパート、ドラッグストア、ホームセンターなどで簡単に見つかる品を売ろうというのであれば参入しないほうが無難です。いわゆるマーケティング戦略でいうところのレッドオーシャンです。それも生半可なレッドオーシャンではなく、深海まで真っ赤な血の海地獄です。こういうところでは当然大きなサメ、つまり資本力のある大企業には適いません。疲弊して、負債を追って撤退するのが関の山です。
確固たる商材がないのに、安易にネットショップなら儲かるだろうという考えだけで始めたら確実に失敗します。
また、仮に確固たる商材があったとしてもインターネットの怖いところはすぐに真似をされるというところです。自信のある商材を見つけた、確かに非の打ち所がない売れる商品です、しかし、その商品が話題になればなるほど大手が参入してきてあっさり模倣品が販売されます。しかも、その模倣品のほうが性能がよく、値段が安ければオリジナルは圧倒いう間に駆逐されます。そうしているうちに市場が飽和状態になり、オリジナルも模倣品も売れなくなります。大手は資本力を武器に利益を確保したから問題はありませんが、中小以下のオリジナル商品の販売元は悲惨です。残ったのは在庫の山と借金だけ。
私はネットショップ出店が必ずしも悪いと言っているわけではありません。証拠にリアライズのクライアントさんでもネットショップでかなりの利益を出している企業様もあります。
ただ、くれぐれも安易に考えるべきではないと思うのです。